傘好きユーザー土屋さんに聞いたrepel.の魅力
自他ともに認める大の傘好きである土屋さん。自身も傘に携わる仕事をされています。そんな土屋さん愛用のシリーズが「repel. Portable umbrella」です。
今回は“傘好きユーザー”ならではの視点から伺った「repel.」の魅力をご紹介します!
第一印象は「好みドンピシャな傘!」
repel.の好きな部分は、ずばりキレイな生地。実物を手にしたとき、生地は薄いのに発色性がよく、さらに表現力の高さに驚いたといいます。「先染織物」といって、先に染めた糸で織物を織ります。そうすることで、豊かな発色や美しい光沢感、奥行きを感じられる織物になります。発色や美しさのほかにも、立体的な糸使いも注目のポイントです。
「立体感のある生地」は、今までも多く手掛けています。しかし、傘の場合、立体感のある生地を使うことは、なかなかありません。「傘生地」にするためには、防水・撥水をはじめ、様々な加工を施します。立体的な生地には、こうした加工が施しにくく、難しいからです。立体感のある傘生地とはつまり、産地の技術力の高さが発揮されている証拠でもあります。
もともとパッチワークが大好きという土屋さん。色の境目にある立体的な糸使いによって、一見パッチワークのように見えるデザインもrepel.ならではの特徴です。つい触ってみたくなる立体的な糸使いと、シンプルな無地による織物自体の美しさ。全体で見ても透明感のある、すっきりとした色合いを味わうことができます。1枚の織物から、いくつもの表現を楽しむことができるところも、repel.の魅力的なポイントです。
作り手を感じられる傘
repel.の出発点は、東京造形大学と山梨の機織り産地の産学連携プロジェクト「フジヤマテキスタイルプロジェクト」でした。この活動の中で、槙田商店と2年間コラボし、生地のデザインをしたのが、現在デザイナーとしても活躍するKanna Ugaiさん。彼女の考えた大きな斜めの柄を表現するため、結果として、見た目も楽しい立体的な生地に。若手の自由な発想力と、産地の経験や技術が見事に合わさり、生み出されていきました。
(上のイメージ画像は「repel. Rain poncho」です)
「勝負傘」ときどき「お守り」
お気に入りのアイテムは、いつだって私たちに元気をくれますよね。それはもちろん傘も同じです。土屋さんは、大事な仕事へ向かうときに、いつもrepel.を鞄に入れます。(ちなみに、行き用と帰り用で、違う傘を2本は入れるそう…!)「絶対に持っていく、僕の勝負傘です」と話してくれました。そんな勝負傘の気になるカラーは、イエロー。選んだ理由は、まさしく元気が出る色が欲しかったからでした。ときには使用せず、お守り代わりになることも。軽量で持ち運びしやすいコンパクトさなので、いざという時の「お守り」にもなってくれる1本です。repel.のカラーバリエーションは6色。性別や年齢を問わず使いやすい、バランスの取れた色展開も魅力的です。
使用感のポイントは「軽さ」と「手元」
槇田商店の傘は織物で作るため、その多くは“しっかりとした重厚感のある生地”という印象を持ちます。その中で、持ち運びやすさに特化したrepel.は「薄く、軽い生地」が特徴です。この生地が実現できたからこそ「repel. Portable umbrella」が誕生しました。重さは約150g。一般的な文庫本1冊程度にあたります。土屋さんは、この軽さはもちろん、手元にも注目しました。半球状の大きめな手元。実は、これもデザイナー同士がアイデアを出し、一から作り上げたものなのです。生地の魅力や、傘の雰囲気を引き立てるために考えられた、こだわりの手元です。
槇田商店は「色彩のプロ!」
傘への愛に溢れる土屋さんに、最後は槇田商店の印象を伺いました。「ひとことで言うと、色彩のプロ」。どうしたら色が良くでるのか、傘を広げた時にはどうなるのかを、とても考えていることが伝わってくると話してくれました。実際、色の表現や再現というのは、生地屋として「こだわるべきところ」。生地を織るために使える色数は限られており、日々、試行錯誤を重ねています。生地屋でもあり、傘屋でもある私たちにとって、非常に嬉しい言葉でした。
また、色合いについて「古き良き日本の色」を感じるといいます。例えば「赤色」や「灰色」のように、古くから日本にあった色、いわば日本の色を継承しながら傘作りをしているメーカーという認識を持っているそう。特に、木漏れ日を淡く優しいグラデーションで表現した『こもれび』は、「傘が作り出す影までとても良い」と高評価をいただきました。こうした評価も、織物が持つ表現力や可能性を考えながら、積み重ねてきた経験があるからだと改めて実感しました。
いかがだったでしょうか。
傘好きユーザーならでは注目ポイントや楽しみ方をご紹介しました。土屋さんがrepel.と出会えたように、槇田商店の傘と出会うきっかけになれれば幸いです。ここでご紹介した以外にも、様々な視点からお話やご意見を伺うことができ、いっそうの商品開発に努めようと思います。ぜひお楽しみに!
今回のインタビューに快くご協力いただいた土屋さん、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!